一人ぼっちユウトの日記

こんにちは、ユウトです。30代、独身、定職なし。一人ぼっちの生活の中で自分らしく生きるためのヒントや日常の楽しみ方をブログで紹介していますので、是非フォローしてくださいね!(^_-)-☆

上田岳弘『ニムロッド』を読んで

こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。
今日は、上田岳弘の『ニムロッド』について語りたいと思います。
この作品は、第160回芥川賞を受賞し、そのタイトルからして謎めいた雰囲気を漂わせる異色の小説です。ですが読み進めるうちに、現代社会を生きる私たちの心の奥深くへと静かに、そして確かに降りていく物語であることに気づかされました。

 

『ニムロッド』の魅力
『ニムロッド』は、ビットコインのマイニング業務を任されたサラリーマン・中本哲史を主人公に、現代社会の〈虚しさ〉や〈希望〉を描いた小説です。
一見、仮想通貨やITといった冷たく無機質なテーマを扱っているように見えますが、物語が進むにつれ、「人は何のために働き、何を夢見るのか」という普遍的な問いがじわじわと胸に迫ってきます。

 

謎に満ちたキャラクターたち
中本哲史の他にも、無口な上司のニムロッド氏や、不思議な小説を書き続ける友人・鹿島など、どこか「壊れかけている」ような登場人物たちが印象的です。
彼らは決して饒舌ではありませんが、その言葉の少なさの裏に、痛みや孤独、そしてそれでもなお生きようとする切実な願いがにじんでいます。
とくに鹿島が書く小説の断片が挿入される構成は、現実と幻想の境界を曖昧にし、読者の想像力を試すようで、読むたびに意味が変わって感じられる不思議な魅力があります。

 

現代社会を映す鏡として
本作には、仮想通貨、人工知能、そして"価値の不確かさ"といった、私たちが今まさに直面しているテーマが数多く取り込まれています。
しかし、上田岳弘はそれらを単なる風刺ではなく、詩のような文体と構成で描き出します。その結果、物語全体がまるで「沈黙の叫び」のように、読者の心に静かに染みわたっていくのです。

 

印象に残る場面
とくに忘れられないのは、主人公・中本が「死んだ人に会いたい」という願いに触れるシーン。
デジタル技術がどんなに進化しても、人間の孤独や喪失感を完全に埋めることはできない――そんな痛切な思いが、静かに胸を打ちました。
そしてその後に続くニムロッド氏の言葉には、深い余韻が残ります。

 

まとめ
『ニムロッド』は、単なる文学作品ではなく、「読者自身の思考と感情を投影させる鏡」のような一冊です。
現代に生きる私たちが何を信じ、何を求めているのか。
その答えを探す旅に、あなたもぜひ参加してみてください。

まだ読んでいない方は、ぜひ手に取ってみてください。そして読んだ方は、ぜひ感想をコメントで教えてくださいね!
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これからも、一人ぼっちユウトが心に刺さる本をどんどん紹介していきますので、お楽しみに!

それでは、また次回お会いしましょう!

 

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