こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。
今日は、司馬遼太郎の異色作『逃げの小五郎』について語りたいと思います。歴史小説といえば「豪胆」「英雄」「戦い」というイメージが強いですが、この作品はその真逆を突き抜けた“逃げる天才”の物語。読めば読むほど、小五郎という人物の奥深さと、司馬遼太郎の筆の冴えに魅了されました。
『逃げの小五郎』とは
本作は、幕末の志士・桂小五郎(のちの木戸孝允)を主人公にした物語です。
桂といえば、坂本龍馬や高杉晋作と並ぶ維新のキーパーソン。しかし司馬遼太郎が描く桂は、剣豪でも豪傑でもなく、「逃げること」にかけては天下一品の男。
この“逃げ”が、ただの臆病ではなく、冷静な判断力と生存戦略の結晶として描かれている点が、本作の最大の魅力です。
小五郎の“逃げ”が面白い理由
桂小五郎は、敵に囲まれれば逃げ、追われれば姿を消し、危険を察知すれば風のように退く。
普通なら「腰抜け」と言われそうな行動ですが、司馬遼太郎はその裏にある知性と胆力を丁寧に描き出します。
逃げることで生き延び、長期的な戦略を実行する
感情ではなく合理性で動く冷静さ
“生き残ること”こそが革命のための最重要任務
この視点が、読者に新しい歴史観を与えてくれます。
「逃げることは恥ではない。むしろ勝つための手段だ」というメッセージが、現代にも刺さるんですよね。
キャラクターの魅力
司馬遼太郎作品らしく、登場人物たちは皆、鮮やかに息づいています。
桂小五郎:理知的で繊細、しかし芯は強い。逃げる姿すら美しい。
高杉晋作:破天荒で天才肌。小五郎の“逃げ”と対照的な存在。
久坂玄瑞:理想に燃える若き志士。桂との関係が胸に迫る。
彼らの関係性が、物語に厚みと緊張感を与え、幕末という激動の時代を立体的に浮かび上がらせます。
心に残ったエピソード
特に印象的だったのは、桂が命を狙われながらも、徹底して“逃げ”を貫く場面です。
普通なら「戦う」か「死ぬ」かの二択になりそうな状況で、桂は第三の道――生き延びるという選択を取る。
その判断の速さと冷静さは、もはや芸術の域。
司馬遼太郎の筆が、その緊迫感と桂の知性を鮮やかに描き出し、ページをめくる手が止まりませんでした。
『逃げの小五郎』が教えてくれること
この作品は、単なる歴史小説ではありません。
“逃げる”という行為の価値を、まったく新しい角度から見せてくれます。
無謀な突撃より、冷静な撤退が未来をつくる
生き延びることは、戦略の一部
勇気とは、戦うことだけではない
現代の私たちにも響くテーマが詰まっていて、読み終えた後にじんわりと心に残る作品です。
まとめ
『逃げの小五郎』は、歴史好きはもちろん、戦略や生き方に興味がある人にも強くおすすめしたい一冊です。
司馬遼太郎の筆によって、桂小五郎という人物が“逃げる英雄”として鮮やかに蘇り、幕末の空気が生々しく伝わってきます。
まだ読んでいない方は、ぜひ手に取ってみてください。
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