一人ぼっちユウトの日記

こんにちは、ユウトです。30代、独身、定職なし。一人ぼっちの生活の中で自分らしく生きるためのヒントや日常の楽しみ方をブログで紹介していますので、是非フォローしてくださいね!(^_-)-☆

ボリス・ヴィアン『日々の泡』 を読んで

こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。今日は、ボリス・ヴィアンの傑作小説『日々の泡』(原題:L’Écume des jours)についてお話ししたいと思います。フランス文学の中でも一際異彩を放つこの作品は、美しさと哀しみ、ユーモアと絶望が泡のように交錯する、まさに唯一無二の小説です。

 

魔法のような現実、現実のような魔法
『日々の泡』の世界は、まるで夢の中のようです。登場人物がピアノを弾くとカクテルができあがり、部屋の空気が感情によって色を変え、日々の暮らしが詩のように流れていきます。主人公コランの恋と友情、音楽と料理、ユーモアと不条理――ヴィアンは日常を絵本のように描きながら、その裏に深い哀しみを忍ばせています。

読み進めるうちに、この物語はただのロマンティック・ファンタジーではないことに気づきます。恋人クロエが病に倒れ、世界が徐々に萎縮していくにつれ、読者の心にも静かな陰りが差してきます。コランの幸福がしぼんでいくのと呼応するように、世界もまた色を失い、奇妙なリアリズムへと変貌していくのです。

 

音楽と詩が織りなすリズム
ボリス・ヴィアンは作家であると同時に、トランペット奏者でもありました。『日々の泡』には、その音楽的センスがふんだんに盛り込まれています。特に「ピアニコクテル(Pianocktail)」の発明や、デューク・エリントンの音楽が物語の核心に据えられている点は、音楽好きにはたまらない魅力。

言葉の選び方もまるでジャズの即興演奏のように自由でリズミカルで、フランス語の美しさがそのまま活きています(翻訳者・朝比奈弘治氏の訳も見事!)。まさに、言葉の泡が弾けるような読書体験です。

 

軽やかな絶望、重たい幸福
この物語の魅力は、ただ「悲しい」だけではありません。むしろ、「どうしようもない現実を、こんなにも優しく悲しむことができるのか」と、心が静かに震えます。ヴィアンは人生の理不尽さ、愛の儚さ、そして大人になることの痛みを、幻想のヴェールに包みながら私たちの前に差し出してきます。

クロエの病気が「肺に睡蓮の花が咲く」という表現で描かれるように、すべてが美しくて、でもひどく残酷。それでも読後には、何か大切なものを胸にそっと抱きしめていたくなる、そんな不思議な読後感が残ります。

 

まとめ:この世界の泡を、愛せますか?
『日々の泡』は、恋の甘さと苦さを知っているすべての人に読んでほしい作品です。誰かを愛したことがある人、世界が少しだけ不条理に感じられる人、自分の感情の輪郭を確かめたい人に――この小説はそっと寄り添ってくれます。

もし、あなたが現実に少し疲れているなら、この物語の中に少しだけ逃げ込んでみてください。そして読み終えたら、その日常の泡が、いとおしく思えるかもしれません。

気に入っていただけたら、ぜひ「いいね」と「フォロー」をお願いします!感想もお待ちしています。次回も、心を動かす一冊をご紹介しますので、お楽しみに!

それでは、また次回お会いしましょう!

 

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